ウナギ文の好例コレクション

興味深いウナギ文を収集している。その都度更新。

追補の記事を書いた (13/06/10):うなぎ文の一般言語学へリンク

これはこのエントリーに追加しようと考えていたのだが、ちょっとまとまった内容になったので、別項立てとした。関心のある向きは参照願いたい。

ウナギ文とは何か。

wikipedia から「コピュラ」の項を見よ。以下抜粋:

日本語では、「僕はウナギだ」「私はプリンです」のように、「買う」「選ぶ」「取る」「食べる」などの意の動詞の代替でコピュラを用いることが多くあり、このようにコピュラの使用をする構文を最も代表的な「僕はウナギだ」にちなんで、ウナギ文という。

コピュラの定義もそもそも難しいのだが、それ以上に、上記ウィキペディア項目の「ウナギ文」はやや説明が偏頗かと思われる。日本語のコピュラ相当「ウナギ文」にはほとんど使用制約がない。「買う・選ぶ・取る・食べる」など(上記記事による)には限らない。相手取る動詞に関して、ほとんど全語彙的に通用する。

しかも日本語のウナギ文は、印欧語の「名詞文(バンヴェニスト)」のように「格言的・定義的」な陰影を帯びない。きわめて卑俗に普通に通用する。これは名詞の格表示において、主格や対格といった「文構成の上で主要な格形」に対する標準的な表現形態が「ゼロ」だということが大きいと思われる。

俺、行くよ(主格マーカー・ゼロ)

それ、もらっとく(対格マーカー・ゼロ)

「俺は/が行くよ」や「それをもらっとく」に比べると、格表示マーカーがゼロである方が自然である。ニュートラルな発言である。ここで「は/が」あるいは「を」を丁寧に挿入すると特別な含意が生じかねない。その伝では、「は」はもちろんのこと(これを単純な格マーカーだと思っている人はいないだろう)、「が」や「を」も、それぞれ「主格」「対格」のマーカーであるというよりも、その「強調・明示化」ほどの意味しか負っていない(あるいはそれ以上の特別な意味を負っている)と捕らえるべきだと思われる。が、それはまた別の話。

「オレはカツ丼、お前は?」

「俺、ウナギ」

これが成立するのは日本語ばかりではない。しかし日本語はウナギ文生成の制約がゆるく、面白いウナギ文が量産される言語の一つではある。今は理由は問わない。

「家の娘は男です」

言語学者なら知らぬもののない、有名な例。

「孫が出来たんですよ!」

「あら、それはお目出度うございます!」

「初孫なんですよ。まだこんななんだけど可愛くってね。」

「女の子? 男の子?」

「女の子なんですよ。お宅の娘さんのところ、もう初孫がいらっしゃったわね?」

「ええ、家の娘は男です」

収集例

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140 東京都名無区 2007/02/27(火) 00:55:38 ID:h5Ti5/Oo

オススメの動物病院がありましたら教えてください。

犬です。

141 東京都名無区 2007/02/28(水) 00:58:37 ID:Qg4nr0mY

賢い犬だなあ。

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スレタイ:105円以内で一番満足出来るお菓子

1 名前:びぷます 投稿日:2007/12/15(土) 16:57:41.75 ID:HPIO0w/rO

50円+50円等の組み合わせでもおk

俺はウエハース

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2007/12/15(土) 16:58:26.07 ID:jz6X144K0

うまい棒*10

俺は人間

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2007/12/15(土) 16:59:48.22 ID:KD314eP30

2のせいで1がウエハースにしか見えなくなってきた

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Published in: on 2011/09/20 at 21:14  コメントする  

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