Google の憤ろしき仕様

わたしは漢字仮名変換には古くは EG Bridge、いまは「かわせみ」を愛用している老頭児マカーであるが、ゆえあってグーグル漢字変換エンジンを持ち出すことがある。ところがこれが腹立たしい。

グーグル漢字変換エンジンの大きなお世話

たとえば「レベル」ってタイプするとグーグル漢字変換エンジンは自動で英綴に直してくれて、「このLevelになると……」と、こういった具合の出力になってしまった。

何者なんだよ、この「俺」ってやつは。洋行帰りの嫌味野郎か、トニー谷か誰かなのか? 横文字なんざ変換候補に入っていなくて結構なのに。大きなお世話だわ、なにがしてぇんだべらぼうめ、余計なことしやがって。それともあれか、r, e, b, e, r, u… って俺がタイプしたのを見ていて、「違いますー、レベルは Level って綴るんですー、ぷぷっ、じぶん英語とか出来ない系?」みたいな煽りをグーグルから喰らっているってことなのか、そうなのか?

「はい、下唇噛んでー、ヴ、ヴ」やかましいわ。土台、やかましいわ。

なんかホントに腹が立ってきたぜ、勝手にひとの言葉を直しやがりながら、和文・英文切り替えのところで半角スペースを手動で入れるという俺ルール(というか業界では割りと普通のルールだと思うが)については、完全無視と来たもんだ。まさに余計なお世話もこれ極まれり、そのくせ仕事は文字通りに「詰め」が御粗末、勘違いしないでよね、あんたのためにやってるんじゃないんだからね、とか言ってる場合じゃねぇっつうの。

行きがかりで Word に側杖

ちなみに上で「手動で入れる」と断ったのはもちろんマイクロソフト Word への当て擦りで、野郎は勝手に英文前後にスペースを補っておきながら「プレーン・テクストとしてみるとスペースは入っていない」というわやな排泄物仕様になっていた。長らくお付き合いがないので現状は知らないが、今もそうかもしれないな。もちろんこの仕様についても回避する方法はあって、どこか設定を弄れば余計なことはしなくなるんだろうけれど、それを探さなければならないっていう段階で私としては「Word 却下」という感じだったものだ。余計なお世話を焼いた上に余計な一手間まで掛けようたぁ、厚かましいにも程があらぁな。こんなのを業界標準にしているようなら、当該業界自体のお里が知れようってもんだ。

「やめてぇ、行頭を勝手に大文字にしないでぇ! この時代にはそういうルールじゃないの!」
「いゃぁ、やめてぇ、段落頭だけインデントしたかっただけなの! アウトライン機能なんか興味ないの! 戻して! 誰か、戻してぇ!」
「ひぃっ、勝手にビュレットを打たないでぇ! どうやれば消えるのこれ! ひぃぃ、増える! むしろ増えていく!」
「あぁっ、直さないでぇ! そういう言葉はあるの! 本当にあるの! ていうかこれ英語じゃないの! う、打てない……どうしても打てないよう……この言葉が」
「なんかこのイルカがいろいろ教えてくれるのかと思ってたら、なにも役に立つことを言ってくれないよ……ただそこにいるだけだよ……なんか跳ねてるし……馬鹿に……わたし馬鹿にされてる?」

ひどぃょ。。。

もぅ

ゎけゎかんなぃょ。。。

というわけで幾多の阿鼻叫喚の果てに全てを諦めた。ウィンドウズを使わねばならない時にはさくっと「メモ帳」である。馬鹿でもいいの、言うこと聞いてくれりゃ。

だいたい大きなお世話を焼いてくれる割には一番インテリジェントでなければ困る検索機能がへろへろで、制御文字が置換対象に入っていなかったり、正規表現は使えなかったりといった具合で、本当に「自信満々で余計なことする使えない新入社員」の代表みたいな奴だったなマイクロソフト・ワードくんは。飯ばっか大食いで。あのイルカくんも、ゼムクリップくんも、まるっきり使えなかったけど、今頃は少しはましな仕事ができるようになっているのだろうか。こちとら二度とお付き合いは御免だが。

マイクロソフト版図の縮小

ちなみにフランスじゃあ、企業も役所も非マイクロソフトの非商用ソフトウェアなんかを使う方にだいたい移行が進んでるようで、大学なんかじゃもとから Unix に OpenOffice だったし、たしか軍隊は Linux じゃなかったか(っつうことで今調べたらそうだった。ジャンダルム(憲兵隊)はリナックスベースのオリジナル・オペレーション・システムで運用している)。とうぜん事務ソフトも脱マイクロソフトだ。

俺としてはざまぁみやがれ、といったところ。あらいけない乱暴な言葉をつかつちまつたわ、口が曲がつてしまふわ、マリア様お許し下さい、様(ざま)を御覧遊ばして。

そしたらグーグルが勝手を始めた

というわけでマイクロソフトには時代の流れという天誅がくだったが、あらたに業界スタンダードの地位にふんぞり返って各所で余計なことをし始めているのが今日のグーグルだ。憤ろしいにもほどがあるのは、これは変換エンジンの話じゃなくて、本家のウェブ検索機能の話なんだけど、こっちの検索語を無視して勝手にメジャーな語に書き換えるっていう排泄物仕様がある。あ、さっきから頻出している「排泄物仕様」という語についてですが、みどもの方ではあの汚いお言葉は持ち出しあらせられませんことよ、適宜脳内で御変換遊ばして? 御免あさっせ、おほほ。

はなし戻ってグーグルでのグーグリングの話である。ようは広義の予測変換であって、「安部首相」なんて打ってみると、「もしかして:安倍首相」なんて返してくる機能の一歩進んだやつだ。「安倍首相」に直してくれるのはこちとら阿呆共には不可欠な機能なのかもしれないが、これが「もしかして……」と確認を取る前から勝手に検索語を「安倍首相」にしちまって結果を返してくるとなると、そいつは巨大なお世話、ということになる。ほかならぬ「安部首相」に用があっての調べ物だってぇのに、勝手に「安倍首相」のところに連れいてかれちゃかなわねぇ。

こちとら誤用がどれくらい人口に膾炙しているかチェックしている最中だっていうのに、勝手に直しをくれやがって何考えてるんだ。じっとしていろっつーの。

あるいは「アメリカシロフタリ」である。他愛もない洒落だが、この一語を使っている奴は何人いるかと調べてみたら「アメリカシロヒトリ」のところに連れていかれる。コーテーションで括ってやっても頑ななまでに「アメリカシロヒトリ」のところに引っ張っていかれる。

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「アメリカシロヒトリって言うんですよ、ぷぷっ、知らないの? 馬鹿なの、死ぬの、ゆとりなの? 円周率はおよそ3?」

やかましいわ。知っとるわ、アメリカシロヒトリのことなんざ、この手で実家の庭のカイドウから駆除したわ。こちとら共通一次の世代だっつーの、大型自動二輪は「限定解除」して乗った世代だっつーの、πなんざ40桁まで暗唱できるわ。

で、この米が異なった仕様は解除できないのかと調べたら、グーグルには verbatim という機能があるそうで、要するに「聞かれた文字列を texto『文字通りに』検索する」というオプション。フランス語版でみると outils de recherche のリスト中に「全検索」に対立して mot à mot「文字通り検索」というオプションがある。

ちょっと待たれぃ、こっちは端から「文字通りに」答えてもらいたくって聞いてるのに、なんでそれが「オプション」の扱いなんだよ。始めっからこっちを基本にしておいたらどうなの? こっちは「アメリカシロフタリ」のことを調べてるの! 「アメリカシロヒトリ」のことは知ってるの! どうしてわかってくれないの? ヒトリはもう嫌なの! ねぇ、わかってよ!

マヂつらいょ。。。

ウチ。。。

もぅゎけゎかんなぃょ。。。

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Published in: on 2016/04/15 at 20:35  コメントする  

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