各種書類の「記入例」に登場するひとびと

固有名ではない「山田太郎」

「山田太郎」といえばわたしの世代にはまずは『ドカベン』の山田太郎であろうが、この名前はある意味特権的な名前である。「名前の代表」として使われることが多いのだ。

Japanese style resume

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Published in: on 2015/11/13 at 20:43  コメントする  

無駄な冗語を重ねて重複使用する重言用法について

「頭痛が痛い」は良く知られた重複表現でありもはやわざと使って見せる体のもの。古くは岩城徳栄(「バカな娘」というキャラが売りだったタレント)の「持ちネタ」でもあった。なるほど「頭痛が痛い」はいかにも無用な冗語という感じがある。冗語、重複表現の代表格としての地位を確立している。

神経痛が痛い

それでは「神経痛が痛い」はどうだろうか。

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Published in: on 2015/10/31 at 21:56  コメントする  

看板に偽り? 地名を含む料理や食品

「日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、EU は域内にあるワインやチーズなどの有名産地名を使った商品名約200件について、勝手に使えないようにすることを求める方向だ。合意内容によっては、日本で定着した商品名が変更を迫られる可能性がある。

特定の産地名を商品名などに使う権利は「地理的表示」(GI)とよばれる知的財産のひとつ。

EU は域内にブランド価値が高い産地名を使った食品やお酒が多く、いまのところ、日本に対して205件の商品名の使用制限を求める方向で加盟国と調整している。 朝日新聞が EU 関係者から入手したリストには、フランスのワイン産地に由来した「シャンパン」や「ボルドー」、イタリアのチーズ産地に由来した「ゴルゴンゾーラ」や「パルミジャーノ・レッジャーノ」、英スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」などが挙がっている。」(朝日新聞web版 2015/02/26、ただし英数全角を半角にした)

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曲がって戻る「レトルトカレー」

「レトルト」の語源は retort < retorte [fr.] < retorta [méd. lat.] = retorquere [lat.] と順に遡り、根っこはラテン語の「曲げ戻す、捩り返す、折り返す」の完了分詞女性形、上の通りその原義は「曲げ戻された」である。ではいったい何が曲げ戻されたのであろうか。「レトルトカレー」のどこが「曲がって戻って」いるのか?

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Published in: on 2015/03/28 at 00:25  コメントする  

開発者名を冠した新案器具

医療器具(手術用具)のカタログに見た

手術用クリップのトップメーカーとして業界に知られる「ミズホ株式会社」というメーカーがある。経済産業省の認定によれば規模は中小ながら、脳動脈瘤手術用の「杉田クリップ」の生産で脳外科医の間で世に欠くべからざるプレゼンスを誇っている会社であり、経産省の「グローバルニッチトップ企業100選」にもノミネートされている。

同社ウェブサイトのカタログを覗こうとすると「あなたは医者ですか」と訊いてくる。正直に「いえ、しがない物書きで……」などと答えると、カタログではなくトップ頁に飛ばされてしまうのだ。門前払いである。「どういうお店か、確かめてから入ってきてね」という具合。あなたの来るところじゃないから……

完全に一見さんお断り、というか「お医者さん以外お断り」というかんじで、そりゃそうだミズホはプロ相手の特殊な商売である、物見遊山で来られても困るといった態度が実直な感じで好ましい。実際私は物見遊山であった。済みません、本当に。

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Published in: on 2015/03/16 at 19:45  コメントする  

観音様ご開帳

観音様……ご開帳……摩羅……昇天……極楽……

「急にどうしちゃったんですか、汚言症(コプロラリア)でも出てきちゃったんですか、お薬出しときましょうか」などとお思いになった方。何か勘違いをしておられるのではないかな。コプロラリアというのはトゥレット症候群や認知症などにみられる「猥褻語や冒涜語(ブラスフェミ)、Four-letter words を口にするのが止まらなくなる」という症状のことであるが……拙僧と如何なる関わりがあろうものかは。

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Published in: on 2014/11/28 at 13:13  コメントする  

バズワードの廃滅に向けたアジテーション

見える化、リーダビリティ……貧困化する造語形成力について (さらに…)

ちょっくら神でも作ってみるか

「低温やけど」は関西弁じゃないですよ、「おむつかぶれ」は「かぶる」の命令形じゃないですよ、っていうネタはご存知あらせられるか。はからずも同音異義の「文」と解釈されそうな名詞。とくに方言形や話語に独特の形になっていると旨味がいっそう増してくる。

このほど、このリストにタカノフーズの納豆のタレ「旨味だしたれ」 が加わったという。ここまでは周知の事実、twitterなどで話題になっていた。

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Published in: on 2014/07/27 at 16:40  コメントする  

「汚名挽回」は誤用か否か

twitter で「汚名挽回」の名誉回復が論じられている。

誤用ではない?「汚名挽回」「名誉挽回」をめぐる辞書編纂者らの議論

辞書編纂者の方々は文証が多ければ、誤用か否かとは別に「現に用いられる」という理由でまずは用例として取り上げざるをえまいし、そこに誤用であるか否かの判断が必要ならしかるべき基準のもとに判断を下すだろう。以下、手許のカードから。大御所、ベテランから最近のものまで、わりと用例はある: (さらに…)

Published in: on 2014/05/02 at 16:46  コメントする  

中二病、あるいは厨をめぐる用語史抄その2

前々エントリー「流行り言葉の栄枯盛衰:ギャルとフェチ」および、
前エントリー「中二病、あるいは厨をめぐる用語史抄その1」を承けて続く:

中二病とは別に発達していた「厨房」

さて、前エントリーに述べたような経過を辿って、伊集院の「中二病」は徐々に意味を狭め「自虐の詩」すなわち自嘲の反省から、ひとの未熟をくさす罵倒表現へ、さらには「厨二病」とか「厨っぽい」といった形を得て「重篤症例の邪気眼妄想を指す用法」へと片極化を遂げてきたことが確認された。

しかしここに、とりわけウェブ上のジャーゴンとして「別のルート」を辿って成立してきた「厨房」という言葉がある。「厨二病」は、この「厨房」と付かず離れず隠微に交叉して、その意味に振幅を刻んでいる。では「厨房」とは何の謂か。 (さらに…)

Published in: on 2013/12/22 at 00:31  コメントする