しり取りをして友達を無くす方法

徹底した「ル責め」。長音の扱いはどうするか、固有名詞や地名の許容範囲は何処までか、ゲーム開始時にコンセンサスをとっておいて、どこまでも攻め続けよう。

そして「返し技」をも十分に準備しておくことだ。相手にも同じ「ル責め」で攻め込まれたら、その時こそ不敵な笑みを浮かべて切り返してやろう。

以下に「ルで始まってルで終わる」という「ル責め」上級者向けの必須アイテムを授ける。長年集めてきたもののお蔵出しだ(こんなことばかりやっている)。とくに使い勝手の良さそうなものは強調しておく。ちょっとフランス文学・思想などに偏りがあるかもしれないがこれは仕方がない。

ル・シャトル(ユーロ・トンネルを運行する「フェリートレイン」)

ルー(カレーの)

ルー(ケルト神話の太陽神)

ルー(トランプのゲーム)

ルー(ハーブの一種)

ルー(小惑星5430)

ルーアン家鴨

ルーゴン・マカール

ルージュ・コラール

ルータイル(ルチルに同。英語読みの慣用)

ルートビール

ループシール(原子炉の配管部分。このほど一般化した)

ルーフソイル(土壌改良剤。標高3500メートルの高原から採取する泥炭を原料とする)

ループホール

ループトンネル

ルーブル(地名)

ルーブル(貨幣)

ルーフレール(車の部分)

ルーマー型ドリル

ルーヤ・アルビラール(イスラム教のラマダン月を決めるための月見)

ルール

ルイ・ドール

ルイ・ヒール

ルイビル(巡洋艦)

ルシアン・ベア・カクテル(ウォッカベースにクリーム、ナツメグなど)

ルシフェル

ルスティゲ・オーベル(喜歌劇)

ルチャドール(ルチャ・リブレのファイター。要するにプロレスラーみたいなもの)

ルチル

ルック・アンド・フィール

ルナール(ベルギーの戦闘機。もとは「狐」)

ルビュール(パティシエ用語、ふくらし粉)

ルファエル(大天使ラグエルの一名)

ルプソアール(美術用語。前景にものを配置して遠近感を出す手法)

ルミノール

地名

ルーアン・レゼサール(フランスのサーキット)

ルークシュポール(北海道)

ルークプラザホテル これは長崎のホテル。「〜ホテル」を許すなら、世界の「ル」に始まる地名をつかっていくらでも作れる。ルクソールホテルなど有名。

ルール(ドイツ)

ルアーブル(フランス)

ルイビル(アメリカ)

ルクソール(エジプト)

ルナ・ホール(芦屋市民センター)

ルノアール(喫茶店)

留萌ターミナル

留萠駅前ターミナル

人名

ルシアン・エール(ENSの司書、社会学者)

ル・クプル(歌手)

ル・ルー(ベルサイユのばら、オスカルの姪)

ルドフィクス・ヤコブ・マリア・ファンミル(大リーガー)

ルーテル

ルイ・アルチュセール

ルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィル(18世紀フランスの航海者、世界一周を果たすディドロの『ブーガンヴィル航海記補遺』のモデル)

ルイ・オベール(作曲家)

ルイ・ガレル(フランス、俳優)

ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(最初期写真家、「ダゲレオタイプ」発明)

ルイ・デイブレル(ムッシュー・ド・パリ)

ルイ・テナール(ホウ素の発見者)

ルイ・ド・リュクサンブール(ルクセンブルク大公ジャンの息子)

ルイ・ネール(ノーベル賞物理学者)

ルイ・パスツール

ルイ・ファン・ハール(オランダのサッカー選手)

ルイ・フェデリコ・ルロワール(アルゼンチンの生化学者)

ルイ・マル

ルイ・リエル(カナダの政治家、「マニトバの父」)

ルイ・ルルー(ベルギーのガラス職人)

ルイ・ロデレール(シャンパンのブランド)

ルイ=アントワーヌ・デュポール(バレエダンサー)

ルイーズ・アルブール(カナダ最高裁裁判官)

ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール(ルイ14世の寵姫)

ルイーズ・ミシェル(フランスの革命運動家)

ルイーゼ・アマーリエ・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル(ウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公フェルディナント・アルブレヒト2世の娘)

ルイーゼ・フォン・ヘッセン=カッセル(デンマーク国王クリスチャン9世の王妃)

ルイス・アギアル(ウルグアイ、サッカー選手)

ルイス・カブラル(ギニアビサウの初代大統領)

ルイス・キャロル

ルイズ・ジュリー・ド・マイイ=ネール(ルイ15世の公妾)

ルイス・スティルウェル(アメリカ、電子工学者)

ルイス・デル・ソル(スペイン、サッカー選手)

ルイス・トレゼヴァント・ウィグフォール(アメリカ、政治家)

ルイス・ネルソン・ドリール(ジャズミュージシャン)

ルイス・ブニュエル

ルイス・ミゲル(メキシコ、歌手)

ルイス・ミューレル(ブラジル、サッカー)

ルシル・ボール(アイ・ラブ・ルーシー)

ルシンダ・ルー(スイスのフィギュアスケート選手)

ルネ・クレール

ルネ・シマール(カナダの歌手)

ルネ・レオミュール(18世紀フランスの科学者、『昆虫誌』6巻の著者)

ルノワール

商標名

ルービック・シェル(ルービック・キューブのような色合わせ玩具バリエーションの一つ)

ループコースパズル(学研、スリザーリンク(登録商標)の一つ)

ルーベル(カネボウ、ナイロン糸)

ルシード・エル(マンダム、ヘアスタイリング剤)

ルジオミール(マプロチリンを成分とする抗鬱剤)

ルミエール(トヨタ)

ルミナール(フェノバルビタール鎮静剤)

ルル(三共、風邪薬)

ネタ

留守番のサル

瑠璃も玻璃も照らせば光る

瑠璃の風に花は流れる(小説タイトル)

ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(ヤマグチノボル『ゼロの使い魔』に登場するツンデレヒロイン)

「ル責め」の言語学

ル責めの有効性には言語学的な理由がある。

1)古代日本語には流音 (r/l) を語頭に持つ語彙がなく、流音を語頭に掲げた語は通常は外来語である。したがって常用語の範囲ではルから始めるのが難しい。

2)かたやル音を語末に持つ語彙を見いだすのは話語ですら比較的容易である。

3)日本語の音韻は開音節(シラビック)で一単位である。つまり音節末を子音で閉じることがない。言い換えれば子音で終わる外来語(特に子音 r/l で終わる語はごまんとある)を日本語に取り入れる時には、そこに母音を付け加えることが頻繁に起こる。そして子音終わりの閉音節を、日本式の本来無かったはずの母音で終わる開音節にモディファイするときに用いられる母音は、きまって曖昧母音のシュワ (ə) であり、仮名に変換すれば円唇奥舌の「ウ音」になる。つまり r/l で終わる外来語は、ほとんど自動的に「ル終わり」に改変される。

Published in: on 2012/08/24 at 16:07  しり取りをして友達を無くす方法 はコメントを受け付けていません